アグリスケット栽培実施例 > 水稲の栽培実施例

1.試験方法

【種籾の準備】

  • JAバケツ稲づくり事務局様より提供して頂いた、種籾(品種:コシヒカリ)を塩水選別した。
    選別基準については、300cc容量のビーカーに精製水200ccにNaCl 20gを添加し、マグネチックスターラーを用いて撹拌溶解させ、そこに種籾を投入し、沈殿したものを供試試料とした。

    良い種籾の選別基準は、塩水中で沈殿するもの(中身がぎっしり詰まった重いもの)が良い種籾であり、液面に浮上するもの(やせて中身がすかすかしているもの)が悪い種籾である。

  • 選別した種籾を精製水で洗浄し、室温で乾燥させた。
  • ビーカーに入れた精製水を液温60℃まで加温し、液温60℃に保たれたビーカー内に乾燥した種籾を10分間浸漬し、その後すぐ冷水に入れて冷却して、種籾を消毒した。
    この消毒を行った理由は、種籾に付着している病原菌類を殺菌し、いもち病など稲の病気を防ぐために行った。
  • φ90mmのシャーレに種籾を入れて、全体が浸漬する程度の精製水を入れて30℃に保温したインキュベーター内に静置し、白い芽が約2mm程度まで発芽させた後、室温下に戻し出芽させた。

    なお、シャーレ内の精製水ならびに各種試験液は毎日交換し発芽させ、葉が2~3枚に増えるまで育苗した。
    (インキュベーション【育苗】期間は、4/1~4/30まで行い、休日を除いて精製水ならびに各種試験液は毎日交換)

【種籾の準備】

  • 量販店で市販されている、「黒土6【15kg】,赤玉土3【7.5kg】,手製鶏糞(市販鶏糞1:コイン精米所から入手した米糠1)発酵土1【2.5kg】」の割合で配合準備し、ビニールシート上に広げて天日乾燥させた。
    十分に乾燥させた土と化成肥料ならびに農業用消石灰を混合し、試験培土とした。

  • 試験農園の1画(比較対照区,試験区1,試験区2)に簡易水田(プラスチック製容器)を設置し、容器内に培土を入れ、土の表面に水が溜まらない程度張り、容器内の培土を混合して1日間静置した。(培土の安定)

【簡易水田へ定植~分けつ~中干し~収穫】

  • 育苗した苗を2~3本を1株としてまとめ、簡易水田に定植した。
    定植深さ約10mmで芽は上向きにし、間隔をおいて定植した。

  • 試験期間は4/1~4/30(育苗期)、5/1~10/1までの栽培期間で、生育後の株を採取し観察を行った。

  • 試験工程詳細
    4/1~4/30
    育苗期(芽出し)
    5/1~8/11
    分けつ期(稲の草丈が約40cm程度になるまでの期間内10日/1回の間隔で水ならびに各種試験液を入れ替え、蒸発等でなくなったら補充管理する。)
    8/12~8/16
    中干し(容器内の水を排水し、培土を乾燥させる期間)
    8/17~10/1
    中干し終了後、土の表面から約5cmの深さまで容器内に水ならびに各種試験液を張り、その後はなくなったら補充して管理する。
    収穫予定日を10/1に設定し、約10日程前の9/21に容器内の水を排水(落水)し、培土を乾燥させる。)

2.試験結果

栽培試験後の収穫状況について

  1. 1. 比較対照区(水道水散布区)

    株元と根の状態

    根の長さ 約19cm

    稲穂の状態

    穂先からの長さ 約13cm

  2. 2. 試験区1(他社市販品施用区)

    株元と根の状態

    根の長さ 約27cm

    稲穂の状態

    穂先からの長さ 約15cm

  3. 3. 試験区2(アグリスケット 1000倍希釈水溶液施用区)

    株元と根の状態

    根の長さ 約27cm

    稲穂の状態

    穂先からの長さ 約17cm

考察

水稲栽培試験を各区画の条件において、実施した結果を下記に記載する。

◯生育状況について

発芽から出芽までの育苗期において下記写真のように緑色の葉(鞘葉)が5cm程度になるまで(出芽)の期間は、対照区ならびに試験区1の出芽期間は約15日に対し、 試験区2は約10日ほどと出芽期間は短い。
発芽から出芽までの育苗期において下記写真のように緑色の葉(鞘葉)が5cm程度になるまで(出芽)の期間は、対照区ならびに試験区1の出芽期間は約15日に対し、試験区2は約10日ほどと出芽期間は短い。

※左記写真上の表記詳細
対照区:精製水のみ
試験区1: 他社市販品 1000倍希釈水溶液
試験区2:アグリスケット 1000倍希釈水溶液

  • 対照区

  • 試験区1

  • 試験区2

◯栽培試験終了後の状況について

対比比較観察の詳細

  • 株元と根の状態

    稲穂の状態

写真上上部から、対照区,試験区1,試験区2の順に配置して観察した結果、試験区2の根や稲穂の長さが最大で、稲穂に関しては籾の量が多く観察された。